イオンが11日発表した2025年2月期決算は、最終的なもうけを示す純利益が、前年比35.6%減の287億円で4年ぶりの減益となった。原材料費の高騰のほか、クレジットカードの不正利用の対応で特別損失を計上したことが響いた。
売上高にあたる営業収益は同6.1%増の10兆1348億円となり、国内小売りではセブン&アイ・ホールディングスに次ぐ2社目となる10兆円の大台を超えた。
本業のもうけを示す営業利益は同5.2%減の2377億円で、コロナ禍の21年2月期以来4年ぶりの減益となった。原材料費高騰のほか、物価高で消費者の節約志向が高まるなか、価格戦略やコスト削減の取り組みが遅れたことも影響した。
また、グループが手がけるクレジットカードの不正利用を受けた被害補償や、中国の不採算店の閉鎖などで、計963億円の特別損失を計上したことも痛手となった。
26年2月期の業績予想は、営業収益が同3.6%増の10兆5千億円、純利益は同39.0%増の400億円と増収増益を見込む。
昨秋以降、利幅が大きいプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の強化を進めており、利益は回復傾向にある。会見で吉田昭夫社長は「PBの過渡期だと思っている。買っておけば間違いないというレベルに引き上げておきたい」と語った。